ときめきの(90-99)作
(額はイメージです)
【時空を超えて】
広大な牧場の夜明け
3月29日 午前6時12分 朝霧高原
 清々しい朝を迎えた。朝霧高原の一帯は牧草地で、富士山の左の稜線が良く見える。春はその稜線のいい場所から光芒が広がるので、夜明け前後はあちこちを走り回る。

 柔らかい光は大きな半円を作ってくれた。朝陽が半分くらい稜線から顔を出す時が最高の一瞬だから、その時を確実に受け止めた。

 その光は稜線に沿って斜めの天空に伸びた。それまで沈んでいた濃い牧草たちは、大きな光に包まれて微かに色をつけた。
辺りは無音。まるでキーンと光の音が聴こえるようだ。

 喜び、始まり、勇気、優しさ、前進、共鳴・・・・様々な言葉に満ちた新しく美しい夜明けのシーンに出会った。

【緑彩湖】
麗しき乙女の湖
5月21日 西湖畔
 水底で隣の河口湖に繋がっている西湖は、 溶岩に囲まれて独特の存在感がある。 別名、 乙女の湖という。富士五湖の中では人が少ないが、時季を選べば素晴らしい光景に逢える。

 あの森は青木ヶ原。 未明に通り抜けて湖岸で夜明けを迎えた。 気温10度で気持ちいい。湖岸の森に強い山越しの朝陽が差した。

 山肌が濃くなり、 緑が冴えて湖にも映る時が絵になる。
その時が来た。

【里 の 秋】

11月10日 西湖いやしの里
 今では懐かしい日本の原風景が蘇った。山梨県の西湖は南側を青木が原樹海、北側を御坂山塊、東側は河口湖に繋がる小さな湖の村である。

 かって70年前の大型台風で、山の狭間の村が全て流されて消失した。年を経て21世紀に入り遂にに村は悲願の復活を果たした。

 茅葺き屋根の古民家が11軒、その中は籠作り、藍染、和紙等々古くからの日本の暮らしが再現されている。

 秋の日差しが強い快晴の午後、広大な敷地内の道は秋彩の真っ盛りだった。紅葉もススキも一番色が冴えるのは強烈な逆光に透かされた時だ。

 何処からでも富士山が見える。富士山と共にあったかっての村は今、年中無休で国内外の観光客を迎え入れる人気の地となった。

 総合案内所に[ときめきの富士]のコーナーを作って貰ったら、ポストカードが人気となって沢山の人の手に渡っているらしい。

 時々定期的に訪問して補充し、終わったら午後の写真が撮れるというこれも又一挙両得、実益を兼ねてというありがたい仕事が出来る。富士山もよー来た、よー来たと喜んでいる。

【彩紅の秋】
桜は紅葉に色変わり
11月4日 山梨県富士吉田市富士見孝徳公園
 春は絢爛の桜の名所。
秋は紅葉に色変わりする錦秋の地。
富士北麓の人たちの安らぎの地は小高い丘の上にある。

 石段と小さな祠があり、中段から上に行くと心ときめく。

 年々桜の枝が大きくなるから、隙間から富士山が見える角度は或る一点しかない。もう限界に近い。

 例え見えても頂上に雪がなければ絵にならないから、秋は空と峰と紅葉が調和する時にここに立つ事を意識している。

 この写真が出来る数年前、同じ場所から全く同じ構図で、春の桜と富士山の調和した光景の写真も出来た。作品名は【彩香の春】。いずれ発表する予定だ。

 この日は富士山からのご褒美を戴いた感がある。

【いのち無限】
ダイヤモンド富士の先駆けとなった究極の写真
4月 24日 朝6時 田貫湖より
 この湖から観る富士山と頂上の朝陽の姿をダイヤモンド富士と言う。ダイヤモンド富士という名はここから生まれ、山中湖の夕陽のダイヤモンドも含めて世に広まった。だがダイヤモンド富士はやはり朝陽が望ましい。

 マスコミも含め、世の人の多くが勘違いしているのがダイヤモンド富士の意味。富士山の頂上に太陽がある状態をそう呼んでいるから、そういう状態ならどこからでもダイヤモンド富士という呼び方をされる。

 昔から土地の人達が伝えてきたのは、地上の富士山、湖に映る逆さ富士、上下合わせた形が菱形 =ダイヤモンドとなる。その形があって頂上に太陽が出ればダイヤモンド富士、これが本来の意味だ。

 地球の自転により季節ごとに太陽の出る角度が変わり、この湖は毎年 4月下旬と 8月下旬に朝陽が頂上から顔を出す。ある年の朝とても眩しかった。プリントの仕上りを観て息を飲んだ。美しい菱形、頂上と湖面の朝陽、水平線にも3つ目の光がある。究極のダイヤモンド富士が出現した。

 やがてこの写真は人に知られるようになり、多くの人の所に届くようになった。人々の信じる心、志に共鳴して光輪の輝きが増す。全ては心が決める。実を結び花が咲く、心に灯を灯し大いなる感謝と調和の世界に至る。全ては実現に満ちている。