ときめきの(81-90)作
(額はイメージです)
【 朝 の 光 】
1月24日 早朝 みさか道より

望の雪が
降った。河口湖
から甲府に抜ける山間の
道の橋の上。ひっきりなしに車が通る
から邪魔にならない様に、更に撮影は振動が
収まるのを待ってから。夜明が近づくから時間との
勝負だ。眠っていた河口湖、富士吉田の街に光が
届いた。新しい一日が始まり人々が動き出す。
街並をマゼンタの光が彩り始めた。心が
落ち着く美しさ。目指すべきは
自然と共生する理想の
世界。富士山が
喜んで
いる。

【 光 輝 】
1月15日 午前7時24分 本栖湖
記録的積雪で
本州の都市機能と交通が
完全に麻痺した劇的な日だった。
出発時は問題なし。その後一気に降り始め
首都高に乗って直ぐに中央道閉鎖。東名では車は
歩くスピード。奥の手を出した。御殿場で降り南麓→
西側→北西に向けて突っ走った。これなら雪は少ない筈。
愛車ロッキー号は盤石の底力でずんずん前進した。道路の
側溝や森に縦に刺さっている車を沢山見た。遂にいつもの
4倍の8時間後に北西部の西湖に到達した。この道筋以外は
全て閉鎖だと後で知った。奇跡なり。富士山の恵みか。
翌朝、嘘の様な快晴が待っていた。朝陽が稜線から顔を
出した時に美しい日輪が出てくれた。挫けなかったら
その先の世界を見せてくれるという学びを頂いた。
この写真がシドニーに渡る。かの地で
「ときめきの富士」が輝く。

【 天 の 鳳・湖 の 龍 】

3月11日 午前6時22分 山梨県 西湖畔より
雲夜が明けた。
雲の中に隠れていた
富士山は雲を払い上空に押し上げ、
朝を連れて来た。濃いオレンジ色の雲が刻々と形を
変えて動いている。彩りが最高潮になった時、
空には金の鳳が現れ、湖には龍が潜んだ。

対岸は青木ヶ原樹海。朝の到来と共に
眠っていた自然の樹々の息吹が
覆っていた雲を空に
押し上げた。

【 聖 夜 の 星 空 】
12月24日から25日にかけての深夜
山梨県の御坂道より河口湖方面を臨む
イヴからクリスマスにかけて
日を跨ぐ頃、 オリオンの三つ星が
富士山の上空に位置して天空を渡って行く。
暮らしの灯り・車のライトが輝いて
聖夜の様に美しい。 天の星は
きっとそれを見て
いる。

【 霧 の 赤 富 士 】
8月6日 午前5時 二合目より
二合目の
林道の奥に在る
少し開けた赤土の台地。
その先に大きな深い谷が在る。
いつか赤富士の    瞬間に谷を霧が
流れるシーンに逢える!そう信じて何年も
通ったがいつも霧は谷の左裾までしか流れて
来なかった。今年の赤富士を観に行く軽い気持ち
だった今朝、いきなりこのシーンが出現した。
珍しく霧は山頂を隠さずに中腹をモクモクと
湧いて流れて行く。      左の谷から
中央へ、更に勢いは止まらず
谷の右端まで駆け抜けた。
龍が走った。その時
朝陽が富士山頂を赤く
染め始めた。心にイメージ
していた理想の赤富士に出逢った。

【ダイヤモンド】
10月 8日 午前 6時 45分 朝霧高原麓原より
朝霧
高原の
牧場にある
小さな池。冬至を
中心軸とした前後80日目
にはここから観ると朝陽が富士山頂
から顔を出す。それは 3月と10月の上旬。
夜が明けてから1時間後のときめきだ。今朝の富士山の
姿は一段と美しかった。朝陽は頂上を覆った雲を
祓い、雲は光の前に道を開けた。そして
王冠が出た。燦然と輝く光。
初めての色が出たダイヤ
モンドになった。

【 一本の道 】
11月16日 8時30分 本栖湖より
大好きな本栖湖。
夜明けの1時間後は魅惑の時間。
幻昇とでも言うべき光景に出会った。
信じて続ければ光に至る。

天に通じる志、今を堂々と。


【 天 の 霊 峰 】
11月30日 午前6時 54分 池の茶屋林道
未明に
櫛形林道に
いた。高度1,200m。
だが富士山は厚い雲の中。
夜明けが近づくが顔を出す気配が
ない。姫様は未だお休みのご様子らしい。

よし、上に行こう。雲海の上に出よう!
富士山の気配を感じられない雲の中の林道を
20分走って雲の上に出た。待つな!動け!
直観は当たった。高度1,600m。富士山は
ここまで来た者に遂に姿を見せた。
ドラマはここから始まった。
灰色の空がそこだけ
明るく金色に
なった。
紺青の
富士、
躍動的な雲海。
眠りから覚めた姫様が
私を待っていてくれた。

【 飛 龍 の 影 】
7月23日 朝5時 二合目より
赤富士に龍の影が延びて顔も出た。
          
上空を泳いでいるのか。
              
北斎さんは絵で富士山と龍を描いた。
              
私は写真に飛龍の影が現れた。

共に縁起よし。

これから日本中を舞う予感がする。

【 時 空 を 超 え て】
3月29日 午前6時12分 朝霧高原より
清々しい朝を迎えた。
太陽は稜線から顔を出した
時に、2つの世界を描き出した。
光は稜線に沿って斜めの天空に伸び、
朝陽の周りは柔らかに輝く半円になった。

それまで沈んでいた濃い牧草たちは、大きな光に
包まれて微かに目覚め始めた。辺りは無音。
まるでキーンと光の音が聴こえる様だ。
夜明けの喜び、新たなる始まり、
無限の力、勇気、優しさ、
前進、様々な言葉に
満ちた美しい
朝だ。