ときめきの(71-80)作
(額はイメージです)
【 パ ー ル・ブ ル ー ム ー ン 】
3月31日 午前4時38分 山中湖
富士山頂の
太陽はダイヤモンド富士。
月があるのはパール富士。数年に
1度、ひと月に2度の満月が訪れる事が
あり幸雲の『blue moon』と呼ばれる。
『blue moon』と『pearl富士』、出
る事自体が奇跡に近い。それこそ
長い年月の中で一度出逢えるか
どうかの奇跡の瞬間に
立ち会う事だ。

チャンスは
夜中から明け方の
山中湖、2010年3月
31日午前2時 40分から
渚で角度を固定した。その時に
月は左上の雲上にあり、第70作の
【月夜幻想】が出来た。夜明前、想いは
通じた。満月は2時間かけて放射状に弧を
描き頂上に入る間際の神秘的な光景を観せてくれた。

【 夜明前 】
8月13日 午前4時27分 山中湖村 梨ヶ原より
やがて夜が明ける。
頂の赤みから見て今朝は
焼けるかも知れない。月光は
一帯を照らし草原は奇跡的に明るく
なった。五合目から続く登山者の灯りが
くっきりだ。クライマックスに至る数十分前、
富士山は夜から朝へと移りゆく時の流れの中に在る。

【 桜幻想 】
春の朝 武田郷より
春を告げる里に咲く一本の王者の桜。その名を
王仁(ワニ)塚の桜と呼ぶ。はるか昔
王仁族がいた所。そして武田氏
発祥の地でもある。その
姿は凛として堂々と
して美しい。桜の
精が宿っていそうだ。
悲しいかな。 辺りは鉄塔と
電線だらけでこの位置しかない。
曇りだったが朝日の力で空にやや色が着いた。

【太陽の翼】
10月10日 7:03am 朝霧高原より
夜明から1時間後、太陽は富士山の上に
来た。上空に留まる雲は強い光に
透けて彩雲になった。 逆光
だから暗くなるが存在が
際立つ。朝陽が見て
いる。眩しさも
雲と調和して
和らいだ。
力まずに軽く
確信して鮮やかに
イメージすれば全ては
実現に満ちている。夢を
目指すあなたへこの写真を届けたい。

【豊穣の夜明】
11月14日 早朝 山梨県富士川町平林より
第二の【黄金の海】に逢いたい !
いつも心にその時が来ることをイメージしている。
それが出るのは秋、標高1200m以上の場所。

しかし一面が黄金になる世界は常時は出ない。
様々な自然条件の一致の時にそこに立った者のみの
天の恵みだ。幸運にも今朝はここにいた。

朝陽が描く黄金の世界が待っていた。

【 熱 き 心 】
11月15日 午前6時28分 信州 高ボッチ高原
冬に
富士山が赤く
なる亊がありますよ。
地元の方が話してくれた。しかし
冬は林道が閉鎖になる。12月上旬
までが勝負だ。そのシーンの出現を
信じて何年も通い続けた。富士山
から直線距離で126km。遠距離
効果で薄いベールが重なる樣に
赤い色は濃くなる。その朝、
空に大鳥が飛来した。壮大な
朝焼けだ。何かを伝えに
来たのか赤の群雲。
湖も空の色を
映した。

【 ザ ・ミ ル キ ー ウ エ イ】
4月16日 未明 西湖畔より
春の
天気は
読みにくい。
だから空のお掃除を
してくれる大雨を待つ。その
日が来た。深夜から未明にかけて
雨で空が綺麗になり天の川が富士山の
上空を巡る時、湖から星の煌めきを見ていると
自分が宇宙空間に溶け込んでいるのが感じられる。
それは至福の時。まだベガとアルタイルは
天の川から遠く離れている。あの中に
皆の故郷の星がある。だから
人は星に想いを
寄せる。

【 ス ノ ー ダ ス ト 】
1月24日 午前8時半 富士見孝徳公園
15
年ぶりの
大雪になった。
今夜は「山のアト
リエ」に泊まろう。夜半
から降雪が激しくなった。午前
4時半に起きた。外は -11℃。一面
15cm以上の積雪だ。雪はやんでいる。空には
星が見えた。絶好の条件だ。あちこちの撮影をして
からこの見晴し台に来た。車の走行が無理なので、機材
一式を担いで一歩ずつ山道を登った。富士吉田の街が
見える。陽光に輝く屋根の雪、山旗雲の湧く時間、
梢の作る窓から見える富士の姿は美しい。
枝の雪は朝陽にくすぐられて
落下する時間だ。
ざざっと
私の全身に
落ちて来た。
よー来た
よー来たと
歓迎された。
時ぞ今なり。絶景雪景色。

【 海・始 ま り の 朝 】
1 月 16 日 午前 7時 横須賀市秋谷より
三浦半島の
西海岸から海越しの
大きい富士山が観える。冬は
朝の岩場に踊る波と、紅富士の共演を
イメージして毎年何度も東京から1時間かけて
逢いに行く。いつか富士の女神は私だけに秘密の姿を
時々見せてくれる。それがときめきの時。これまでもそうだった。

ある朝、薄暗い中から色の予感が現実となって現れた。エメラルド
グリーンの空と岩場の淡いピンクの波濤。それまで薄いベールに
隠れていた富士山がはっきりと姿を現した。白雪は淡い紅富士。
冬本番はこれからだけど、春の声が聴こえてくる様だ。