ときめきの(41-50)作
(額はイメージです)
【 天 地 創 造 】
9月26日 午前5時40分 丸山林道
台風の
後は凄い
空に逢える。
稜線が黄金に輝
いた時、雲は全ての光を
受けて燃え盛った。光と風と
色の饗宴は数分間に及び、私まで
朱に染まった。グオーン、グオーンと空が
鳴っている。息遣いをしている富士山が
この空を連れて来た。この臨場感を
あなたに届ける事。それが
私のお役目だ。

【 夕映え讃歌 】
6月26日 17時26分 山梨県 韮崎市 甘利山より
大好きな
日暮の1時間前。
それは万物が美しく甦る
黄金の時。やがて17時47分になった。
待った甲斐あり。日没前の斜光が描いた未知の光景が
僅かな時間だけ出現した。
たなびく雲は淡い夕陽の色に染まっている。
コノハナサクヤヒメはこの姿を
私に見せたかったのだ。
ありがとう姫。君は
最高に綺麗だよ。

【 天 晴 五 月 舞 】
5月2日 午前10時 朝霧高原もちやより
ここは富士山麓西側にあるもちやドライブイン。
毎年4月下旬からは百匹の鯉のぼりが芝生を
渡る風に揺れる。ある年 奇跡が起きた。
端午の節句に桜が満開だった。
風が吹いて鯉が泳いだ。

夢よ大きく空に舞え
青空白雪 鯉のぼり
端午の節句に 花満開

写真を
額に入れて
壁に掛けるお客様も
多い。部屋の中には鯉のぼり。
場所は取らずに歳時記感がある。
これは新しい流行になるかも知れないなあ。

【 春 の 歓 び 】
4月1日 午前8時50分 富士宮市内房より
この景色に
立てて幸せだった。
いつか必ず逢えると信じて
通った数年間が思い出される。
今の富士山麓には、これ以上の桜と
富士山の調和の景色は幾つも無いであろう。

この一帯には稲瀬川が流れる。川沿いの
集落、土手に咲く無数の桜は絵の様に
美しい。時を忘れて散策する者に
至福の喜びを与えてくれる
日本の原風景だ。

【 満 天 の 流 星 】
11月19日 午前3時7分〜37分 富士山二合目 西臼塚より
富士山と北極星を正面に、オリオン座を背面にして
宇宙の彼方から飛来する獅子座流星群を待つ。
気温は0℃。満天の星で富士山が明るい。

午前2時、開始を知らせる様にピューンと
大きな光が東から西に流れた。そしてドラマが
始まった。東の空に流星発生の中心が有り、そこから
四方八方に星が飛ぶ。北極星を軸に天体が廻る。

午前3時19分。最大の流星が飛来した。30分の
露出の間に29本の流れ星がフィルム上に
写った。流れ星は停まっている。
願い放題、夢の叶う写真と
して有名になった。

【 夢 へ の 入 口】
12月5日 暁の頃 西川林道
夜明前、
雲の下から
街と橋の灯りが
透ける様に観えて
いた。湖を覆っていた
雲が動きだし空に色が付き
始めた。オーロラみたいで吸い
込まれた。【千と千尋の神隠し】の
中に出てきた、湖の中に消えて行く心の
電車の様だ!幻想と神秘の視界が広がって
来た。空が彩られて来た。皆この時間に夢を観る。

【 富 士 大 和 桜 】
4月24日 富士吉田市 富士見孝徳公園
石段を登り
切った先にある
小さな祠は土地の人が
心を寄せて大切に守っている
國福大神社( ク ニ フ ク オ オ カ ミ ノ ヤ シ ロ )。
天照大神の別称だ。祠を背にした梢の間から
富士山の頂が見えた。角度はここしかない。富士山と
満開の桜に加え陽に輝く鳥居の入った写真は
極めて貴重だ。神様も入り三拍子揃った
春爛漫のご褒美を頂いた。

【瑠璃白光 】
ここから生まれた
8月中旬 午前7時半 静岡県 山伏峠より
天空の旭日は
かって観た事の無い巨大な
光の輪になって出現した。無数の
神々が光彩の輪の周りで命を輝かせて、
躍り、舞っている。新しい次元への誘ない
か。まるであの玉から富士山が生ま
れた様だ。輝く心で光を信じて
進んで行こう。七色の
彩輪が待っている。

【 壮 麗 桜 】
静岡県 富士市 龍巌淵 8:47am
1週間前の
下見を経て胴付
長靴を買い求め、日を
選び この日の早朝6時から
3時間、 流れの早い川の中に立った。
川の中では動く訳にもいかず下半身は
冷え込んで来る。日が昇ってから
私の背面の橋の上や川辺に
人が集まり始めた。
私の視点は
そこには
無い。
究極は
川の中のある
一箇所だ。 出来た。
どうやら木花開耶姫様に喜ばれて歓迎された様だ。

【 彩 雲 紅 葉 】
11月上旬 午前8時 富士河口湖町大石浜より
逆光で
紅葉が朝陽を
透かして深紅になって
いる枝を見つけた。紅葉の先の
薄い雲に朝の強烈な斜光が当たり
彩雲が出た。「あ、来た。待ってたよ」
歓迎してくれた。こんな事は想像していなかった。

この写真の2週間後、画面に見えている一番上の
枝を伸ばしている樹が切られた事を知った。
根が枯れた為だという。あの彩雲は
一番美しい姿を見せてくれた
紅葉からのさよなら
だったんだ。