ときめきの(21-30)作
(額はイメージです)

【 初 ひ か り 】
1月18日午前6時39分 山中湖平野浜より
日本の
真冬の朝陽は
最初に富士山頂に届く。
ピンクの色が一番冴え渡る極みは
10秒のみ。今朝は遂に-20度になった。

昨日の浜の雪が凍っている。気温に比例
して紅の色が冴える。冬は白雪が
染まる紅富士。夏の赤富士と
共に吉兆である。

【 湖 畔 桜 】
四月中旬 午前9時 田貫湖より
この湖はダイヤモンド富士で有名になった。

季節の変化が明確だと桜は喜んで
絢爛の花盛りになる。幸運にもこの桜を
撮れたのは厳冬の期間が長かった
20世紀の終る頃だった。

今は季節の変化が少ないから
色も量も小さい。反対に人間は短くて
暖かい冬を歓迎する。人間に都合の
いい事と自然の歓喜とは逆が多い。

見渡せば里に色づく山桜
空の青さと富士の白雪

【 麗 光 】
7月 早朝 山中湖より
それは数秒の
出来事。ある夏の朝湖に
映った姿はまるで時が止まった様に
神秘的だった。最高潮の赤が山全体を
染めた時、湖は鏡になって湖面にも
その姿を映し出した。古来から
吉兆とされる赤富士の中
でも更に貴重な逆さ
赤富士。

今を堂々と!
全ては実現に満ちて
いると言われている様だ。

【 入 江 の 慕 情 】
1月25日 午後5時半
西伊豆静浦湾を見下ろす発端丈山より
 海の入江に夜のとばりが降りた。
冬の夕暮れは早い。斜光の残照が
峰の白雪を照らしている。

漁を終えた漁船が湊に戻って来た。
遥かな富士は残照の淡紅、
漁村に夜がやって来る。

海に浮かべた筏は
海老やハマチの養殖である。
海の色が完全に無くなるまで、
私はずっと立って観ていた。

北斎さん見てくれ 現代の浮世絵が出来たよ

【 紅 富 士 】
1月中旬 午前7時
御殿場市 富士山中腹の水ケ塚より
午前6時から山を見て立っている。
一段と寒いが素晴らしい! 今朝は-20度だ。
嶺の極みの色は寒さと引き換えだから。

やがて頂上から徐々に紅色が下に
広がってドラマが始まった。
最高潮は10秒足らず。
白雪よ極まれ鮮血の色に!

凛とした幻冬の朝だった。

【 頭を雲の上に出し 】
初夏の朝 山梨県 西川林道より
頭を雲の上に出し
四方の山を見降ろして
雷様を下に聞く 富士は日本一の山

青空高く聳え立ち
体に雪の着物着て
霞の裾を遠く引く 富士は日本一の山

富士山を見た事がない人も
心の中には富士山がある。

その調和のとれた美しい姿は
もの言わず日本人に語りかけて来た。

 心が世界を創る。
頭を雲の上に出し 心はいつも日本晴れ

【 夕照桜 】
3月29日 午後4時26分 神奈川県松田町寄より
この桜と富士山が
最高に融合する時を信じて
通い続けた。まだ蕾は堅い。 お、少し
膨らんだ。あと1週間だな。そして今年4回目、
黄砂が襲来する予報があった。よしPM2.5にひと
働きして貰おう。ガスに夕陽を透かせば色は
際立つ。富士山は名脇役。大地の母性に
包まれた絶景になった。

【大島桜咲いた】
3月30日 朝 松田町より
君が絢爛と
咲き誇る姿を見たくて
毎年通った。10年目になった。

そして夜が明けて日の出から
1時間経った時に青空伴って君は空一面に
花開いた。ずっと逢いたかった大島桜が咲いた。

【 萌える新緑 】
いのちのコーラス
5月11日 八ヶ岳山麓より
高い山の奥深くまで登山しなければ辿り
着かない様な絶景が、国道の通る
橋の上から観られる幸せ。
但し自然界の様々な
条件が、 ある
一点で調和した
時のみの絶景だから
イメージして、3年目に漸く
出逢えた。天恵なり。新芽や若葉が
一斉にいのちの讃歌のコーラスを奏でている。

【 み の り 】
10月22日 午前7時 信州旧塩尻峠より
ここは信州塩尻の
峠の道の麦の穂が 朝陽を受けて輝いた

輝く時は限られて
夜明直後の数分間 遙かな富士はシルエット

もうすぐ山に冬が来る
その少し前 霜の朝〔みのり〕の写真が出来ました

無限宇宙の幾億の
中に生まれた太陽系 銀河の中の奇跡星

地球に生きて恵み有り
自然の摂理に感謝して
ときめきの富士 ここにあり