めきの富士・夏の色

夏01〜夏10

夏 01
【 雲 立 つ 朝 】
昇竜は大河の如く
6 月2日 御殿場市より
夜が明けてから1時間以内、
まだ爽やかな朝の空気が漂う頃は
次々と雲が湧く。

時には大河の様に流れを作り
ある時は竜となって天に昇る。

田の早稲は育ち、山は紫と茶の
肌になって、大きな空に白い雲。

02
【 一 条 の 光 】
来た!
6月4日 午前7時 静岡県 田貫湖より
世の中が沈んでいたり
人々の気持ちが晴れやかでない時は、
富士山に反映される。

曇天続きで朝から曇り。
でも私は太陽が山頂を通るまで帰らない。

それは夜明けの1時間後。
その時にドラマが起きる事がある。
何か来た! そして一条の光が降りた。

03
【 瑞 樹 (みずき) 輝 き 】
命のカンタータ
6月6日 午前6時 朝霧高原 東京農大農場
農場の樹は富士山と競演するプリマドンナ。
幹の周りには宿り木が絡む。
逆光を受けて一番輝く瞬間だ。

 頂きは雲に溶けかかり、
もう天空で異次元に行っちゃってる。

今だ! 全ての命がカンタータを歌っている。

04
【 白 花 燦 々 】
フランス菊のすそ模様
6月17日 朝 河口湖畔より
湖畔を歩いている時に視界の全てが
フランス菊の畑を見つけた。

初夏の富士山、裾模様。まるで
「よく来たね、お前だけだよ」
と言ってくれた気がした。

数日後、跡形も無くこの姿は消えていた。

05
【 黎 明 の 刻 】
時の流れ・自然の胎動
6月22日 午前3時30分 箱根大観山より
深夜〜未明〜暁〜黎明へと時は移る。
夜明けの前が一番美しい。

芦ノ湖は雲海に覆われた。
滝になり谷に流れ込んでいる。

雲を透かして元箱根の灯りが映えた。
皆が眠っている間に自然は胎動している

06
【 と き め き 暮 色 】
夏至の夕陽はパーシモンレッド
6月24日 午後6時 30分 箱根大観山より
この時期の夕焼けは箱根がいい。
太陽と富士山と自分がほぼ一直線になるから
空全面の大きな夕焼けに遭遇出来る。

明日も晴れる。
心に勇気が満ち溢れる。

夕焼けは長い時間に渡って空を染めた。

07
【 夏 の 朝 色 】
雲海の上の赤き雄姿
7月9日 午後4時 52分 三国峠より
山中湖は雲海に隠れた。
その上に出ると青空と夏色の富士山が待っていた。

湖畔が霧に隠れた時は迷わずに峠に走る。
視点を変えればチャンスあり。
違う世界が待っている。

08
【  さ ざ 波 の 広 が り  】
魚たちの朝活だ
7月15 日 早朝 山中湖より
いきなり渦が出来て
見る間に大きな波が広がった。

お、始まった。ブラックバスに追われたか。
いやいや、きっとワカサギの朝活だ。

稜線にはピンクの光が入った。
みんなで「おはよー」と言って
朝を喜んでいるみたいだ。

09
【 里 景 色 】
そして赤富士の朝へ
7月17日 午前5時 富士吉田市 農村公園より
新しき夜明けがやって来た。

私の背後から昇る朝陽が、
強烈な直射光を富士山の頂に当てた。
残雪が<人>の字になっている。

手前の森にも光が入った。
緑と赤のコントラスト、
水を張った田んぼに映る赤き逆さ富士。

 美しき夏の里景色、ここに極まる

10
【凱 風 快 空 】
空に生まれるフェニックス
7月20日 午前5時半 二合目より
赤富士のピークが終った後に
空の劇場がオープンする。

灼熱の名残の色の富士の峰、
広がる青空、風と雲とのせめぎ合い。
誕生間もない鳥は翼を広げて空に躍る。

北斎さん、一文字違いの作品が出来たよ。

夏01〜夏10