四季の彩・春の色

春14〜春24

春 14
【 郷 桜 】
村の外れの一本桜
4月25日 山梨県 鳴沢村より
村の人しか知らない桜の木。
富士山麓でも最も遅い時季に花をつける。

そっと霊峰を捧げる様に
密やかに力強く枝を伸ばす。

春 15
【 明 日 へ の 翼 】
山に向かって一羽、二羽
4月27日 夜明け 精進湖
その刹那、雲は鳥になった。
白鳥だ! 1羽、2羽、何羽も行くぞ。

次から次へと翼を広げた雲が
山に向かって飛んで行く。

まだ顔を出さない朝陽が、
頂上の一角に光を当てた。

春 16
【 光 矢 】
夜明けの光を受けて
4月28日 夜明け 山梨県 精進湖より
雲はいつも富士山の頂に向かって飛来する。
それも特に多いのは夜の明ける頃。

闇が明けて光に満ちる最初の世界に
飛び込んでアピールしてくれる。

あれはきっと龍か鳳凰だ。

春 17
【 爽 快 な 風 】
武者幟 はためいた
5月2日 朝 朝霧高原より
数十匹の鯉が泳いでいる。
風を受けて颯爽と。

遅咲きの桜は今が盛り、富士山は白雪。
子らに託す夢を載せて
大武者幟は颯爽と風にはためく。

春 18
【 燃 ゆ る 想 い 】
大雨の後、空は火焔の如く燃えさかった。
5月4日 午後7時 山梨県 忍野村 二十曲峠より
天が割れたかと思える様な大雨が1時間続き、
富士山は雲に隠れた。そして夕刻を迎えた。

突然、バーンと音が聞こえる様に
全ての雲に色が入り躍動を始めた。
紅や紫の色が天空に満ちていく。

夕焼けは二焼け、三焼けと続き8時を過ぎても
縞の雲と紅色が残っていた。

春 19
【 草原の輝き 】
風薫る5月の朝
東京農業大学 朝霧高原牧場より
この空気感は
夜明後1時間以内の
宝物。 朝霧高原からは毎日
富士山とご来光が一緒に拝める。
早朝は無人だけど、事務所のboxに
ちゃんと300円の入場料を入れてね。
大人のマナーだから。 さもないと
将来は立入禁止にになるよ。
美しい富士山を永劫に。

20
【 初 夏 の 山 里 】
目に美しき花盛り
5月18日 午前8時 富士吉田市 農村公園より
ある年、このシーンが待っていた。
誰が植えたかアヤメが咲いて、今が満開芝桜。

かってこんなに美しい富士山があった。
これ以降はアヤメも芝桜も見なくなった。

出会えた事に感謝。私が写真で残して行く。
初夏の山里 宝物。 富士は日本一の山。

21
【 無限の扉 】
5月20日 午前5時
静岡県 富士宮市 田貫湖より
心のざわめきを感じて空が映えた。
この先、 どこまでも未知の世界の輝きへ。

光は全方位 愛は無条件

春 22
【 花 暮 色 】
5月25日 18時43分 御殿場市より
夕陽の逆光で緩やかに
深い色が広がって行く。

子供の頃に野山を駆け回って
遊んでいた時の里の景色が甦った。

畦道のマーガレットが優しく
微笑んで、深い彩りを秘めた
心ときめく夕景が待っていた。

春 23
【 夕 陽 の 里 】
子供の頃を思い出す郷の夕焼け
5月26日 午後7時 御殿場市より
 富士山の真北に位置する河口湖にいた。
湿気で富士山がグレーに沈んで行く。

決めた。御殿場に行こう。
高速を飛ばして一気に南下した。

狙いは当たった。世界は一変した。
湿気は逆光で彩りに変わった。

子供の頃を思い出す様な
美しい夕焼けが待っていた。

春 24
【 明 日 も 晴 れ る 】
5月25日 夕刻 御殿場市深沢より
 田園風景は
心が和む。富士山と
一緒なら皆が喜ぶこれぞ
日本の原風景だ。だが油断して
いると都市化の進行でどんどんその姿が
減ってゆく。情感豊かに写真で残すには朝陽と
夕陽の力を借りよう。時の贈り物と
言われる時間帯だ。

山は夕焼け
明日も晴れる
午後遅くに霞んで
いた空は夕陽に透けて
劇的に変化した。早苗の水面に
木々の影も映って、美しいオレンジの
世界が目の前に現れた。

春14〜春24