めきの富士・春の色

春11〜春20

春 11
【 郷 桜 】
村の外れの一本桜
4月25日 山梨県 鳴沢村より
村の人しか知らない桜の木。
富士山麓でも最も遅い時季に花をつける。

そっと霊峰を捧げる様に
密やかに力強く枝を伸ばす。

春 12
【 明 日 へ の 翼 】
山に向かって一羽、二羽
4月27日 夜明け 精進湖
その刹那、雲は鳥になった。
白鳥だ! 1羽、2羽、何羽も行くぞ。

次から次へと翼を広げた雲が
山に向かって飛んで行く。

まだ顔を出さない朝陽が、
頂上の一角に光を当てた。

春 13
【 光 矢 】
夜明けの光を受けて
4月28日 夜明け 山梨県 精進湖より
雲はいつも富士山の頂に向かって飛来する。
それも特に多いのは夜の明ける頃。

闇が明けて光に満ちる最初の世界に
飛び込んでアピールしてくれる。

あれはきっと龍か鳳凰だ。

春 14
【 爽 快 な 風 】
武者幟 はためいた
5月2日 朝 朝霧高原より
数十匹の鯉が泳いでいる。
風を受けて颯爽と。

遅咲きの桜は今が盛り、富士山は白雪。
子らに託す夢を載せて
大武者幟は颯爽と風にはためく。

春 15
【 燃 ゆ る 想 い 】
大雨の後、空は火焔の如く燃えさかった。
5月4日 午後7時 山梨県 忍野村 二十曲峠より
天が割れたかと思える様な大雨が1時間続き、
富士山は雲に隠れた。そして夕刻を迎えた。

突然、バーンと音が聞こえる様に
全ての雲に色が入り躍動を始めた。
紅や紫の色が天空に満ちていく。

夕焼けは二焼け、三焼けと続き8時を過ぎても
縞の雲と紅色が残っていた。

春 16
【 い の ち 萌 え る 】
若葉がいのちのコーラスを奏でる
5月11日 早朝 八ヶ岳山麓
壮大なスケールのこの谷はときめき。
下見を重ねて遂に最高の朝に立った。

柔らかな緑のグラデーションが目の前にある。

極めて冷え込む厳しい八ヶ岳の冬を経て、
いのちの輝きがコーラスを奏でている。

春 17
【 初 夏 の 山 里 】
目に美しき花盛り
5月18日 午前8時 富士吉田市 農村公園より
ある年、このシーンが待っていた。
誰が植えたかアヤメが咲いて、今が満開芝桜。

かってこんなに美しい富士山があった。
これ以降はアヤメも芝桜も見なくなった。

出会えた事に感謝。私が写真で残して行く。
初夏の山里 宝物。 富士は日本一の山。

春 18
【 日 々 新 た に 】
不変のリズム・時の変化
5月20日 早朝 静岡県 田貫湖より
自然のリズムは不変だから素晴らしい。
毎日新しい夜明けがやってくる。

闇から光へと時が流れる律も不変だ。
心新たに一日を始めよう。

起きる事全てを喜んで受け入れて
視点は常に光の射す方へ。

春 19
【 今 を 生 き る 】
日々、富士と共に
5月21日 午前6時 西湖より
夜が開けた。空は青に変り始めた。
対岸は青木ヶ原樹海。

ボートは陸へ向かう。逆さ富士が波で揺らぎ
その中に又、小富士が出来た。

今を生きる。富士山と共に生きている。

春 20
【 夕 陽 の 里 】
子供の頃を思い出す郷の夕焼け
5月26日 午後7時 御殿場市より
 富士山の真北に位置する河口湖にいた。
湿気で富士山がグレーに沈んで行く。

決めた。御殿場に行こう。
高速を飛ばして一気に南下した。

狙いは当たった。世界は一変した。
湿気は逆光で彩りに変わった。

子供の頃を思い出す様な
美しい夕焼けが待っていた。

春11〜春20