四季の彩・冬の色

冬01〜冬09

冬 01
【光の煌き】
2017年12月3日 午前6時14分 信州高ボッチ高原より
光は
空の扉を
開けてくれる。
雲たちは喜んで道を開けて
朝陽の色で表面が染まってゆく。
朝の空と呼応する様に人々の営みの光が
煌めいている。空が金に輝き、街明りが残って
いる。僅かな時間に待っているのは情景の宝物。全部の光を
受け止めて心に染み入る色になって、現代の浮世絵がまた一枚出来た。

冬 02
【 雲 上 輝 峰 】
ここまで来た者を待っていた
12月10日 午前8時 西川林道より
下界から富士山は見えないから
雲の上に出ようと決めた。

だが冬の林道閉鎖が始まったから、
今は廃道の旧林道を探し出し、

倒木や水溜りの土砂の道を辿って中間まで来た。
そこからは眺望の良い場所まで歩き。

厚い雲海の布団の上で姫が
「よく来たね」と待っていた。

03
【 光 響 】
12月9日 夜明け直後 山梨県本栖湖より
朝焼けの
雲は山頂を横に
走り金の龍になった。
湖面は空の色を映して黄金に
染まった。この湖で逆さ富士を伴った
黄金の夜明が初めて出た。
希望に満ちた素晴
らしい朝が
来た。 

04
【 希 望 の 朝 】
光芒は希望
12月12日 午前7時 精進湖パノラマ台より
麓から細い登山道を登り、
日の出に間に合った。

下は茶色、中は黄金、上は青。
大きな光芒が美しい。
富士山と太陽は大の仲良しだ。

小さな宇宙船が様子を見に来ていた。

05
【 新 し き 夜 明 け 】
冬晴れの湖
12月15日 午前7時19分 山梨県 精進湖より
冬はあそこから朝日が昇る。
太陽が完全に顔を出す直前に空がざわめく。

いつも空のドラマのクライマックスは短い。
だから常に今がピーク・最高と受けとめる。

赤くは焼けなかったが、臨場感と
朝の爽やかな空気感に満ちた写真になった。

06
【 頂 上 日 輪 】
光は山頂より
12月18日. 7:20am 富士川町 上高下(kamitakaori)より
富士川町名物の光景を観る為に
暮れから正月にかけて早朝に
各地から人が集まる。

皆の希望に届け頂上からの朝陽。
縁起が良いとされて人々の心に灯をともす。

07
【 灯 り 】
12月19日 17:00 南房総市より
日の沈む
30分前は魅惑の色の
劇場だ。未だ空が夕暮れの
明るさと橙色を残している時、桟橋の
 先端まで行った若者がライトを点けた。
この日は桟橋の灯りが一つ
消えていた。あの二人の
ライトがそれを
補ってくれた。
やがて青い波が岸に
向かって大きく寄せ始めた。

08
【 冬 の 星 座 】
12月 29日 午前0時 34分
一合目の広場より
中腹にある広場は凍える寒さと
引き換えに満天の星と友達になれる。

星は時間をかけて放物線を
描く様に天空に移動してゆく。

夜明の前まで寝ずに浸っていた
ソワレ(夜会/夜の演奏会)の美。

09
【 時の彩り 】
1月11日 夜明け 河口湖畔より
夜が明けた。 美しい旋律を奏でる様に一面は吸い
込まれる様な色の世界に染まった。 自宅を
コンサート小ホールに改装した女性が
「写真からコンチェルトが聴こえます」
とおっしゃってサロンにおいでに
なり作品をお求めになった。

冬01〜冬09