四季の彩・秋の色

秋01〜秋11

秋 01
【 蒼 き 山 嶺 】
墨絵の様なグラデーション
9月5日 午前8時半 丸山林道より
雲海は陽が昇るに連れ薄いもやとなり、
その靄もカスミとなって徐々に引いて行った。

蒼い空と山並みだけのシンプルな光景が美しい。
蒼〜白〜蒼のグラデーションに吸い込まれる。
濃淡のある青い墨絵の世界だ。

02
【 夕 陽 は 黄 金 色 】
山里夕暮れ 残照UFO
9月12日 夕刻 富士川町平林より
日没の30分ほど前は
斜光で一帯が美しい黄金色に染まる。

帯雲がたなびいてUFO雲が遊びに来た。
頂は少し赤みを帯びた。

富士山に守られた穏やかな暮らし。
もうすぐ稲刈りだ。明日も晴れる。

03
【 飛翔 】
9月16日 午後 富士河口湖町カチカチ山より
河口湖の
ロープウエイ
で直ぐに大平山に
辿り着く。途中見える
のは湖のみ。頂上で富士山が
見える。眺望は最高!遮るものは
何も無い。 2000年の初頭の9月には山頂に
雪があった。そして壮大な鳥が翼を広げて天空を飛んだ。

04
【 吉 祥 天 上 】
空に集まるエネルギー
9月18日 午前6時 朝霧高原 富士嶺より
真芯に出た太陽は異次元を連れて来た。
それは歓びのエネルギー。

雲たちが集まって来る。
光雲は羽を広げて舞い踊る。

朝日は燦然と輝いた。

05
【 宇 宙 光 音 】
「かぎろひ」を観た
9月26日 午前5時過ぎ 丸山林道
東(ひむがし)の野に陽炎(かぎろひ)の立つ見えて
(反見)かへりみすれば 月西渡(かたぶきぬ)
柿本人麻呂が詠んだ歌。

夜明前、東の空に陽炎の様な
光のゆらぎを感じた。
振り返ると西の空に満月が落ちかかっていた。

夜明前、月は西の山に隠れる間際だった。
やがて遥かな彼方に朝の光が入り
中空と天空の雲を染め始めた。

『あ、かぎろひだ。』

人麻呂は野に、私は空の雲にそれを感じた。
振り返ると月はもう西の山影に沈んでいた。

06
【 現変化(うつしへんげ)】
視界の向こうに在るもの
9月25日 深夜 丸山林道
気圧配置の影響で風が雲を流している。
満月が入って来た。富士山も出て来た。

上空の雲は走り下の雲は停まっている。
過去、現在、未来が一緒に写っている様だ。

何を伝えているんだろう。

私は富士山が呼んで見せてくれる
未知の一瞬の光景の出現を確信している。

今夜、その前に立った。

07
【 藍 色 絵 染 】
至妙幽玄、紺と金。
9月26日 午前5時半 丸山林道より
朝焼けが終った後、
天空が黄金の帯となって輝き
藍色の富士が目の前に出た。

出現が奇跡の様な紺青と金の饗宴だ。

金は深い藍と互いに際立ち合い、
互いを引き立てる至妙幽玄の美となった。

また一つ、観た事のない世界を観る事が出来た。

08
 
【 焼 け の 明 王 】
10月1日 夕刻 富士吉田市より
初冠雪の翌日、夕陽が山の向こうに
姿を隠してから急激に寒くなった。

薄雲が山に寄って来た時に、
バーンと赤い炎が立ち上がった。

緋色の雲が炎になった。
まるで不動明王の光背の如くに
焰が放射に伸びる。私の心も燃えた。

09
 
【 朝 焼 け 演 舞 】
10月2日 午前五時半  身延山頂より
夜明けの太陽と富士山と自分が
一直線になる地点に立った。

高度1,200m以上の雲海の上。
太陽が正面だから空全体が焼ける。

染まり初め〜最高潮の彩り〜残彩の空へと
天体ショーは10分ほど続いた。

雲海の下の富士川の水蒸気が雲海を作る。
移ろいゆく彩りの一瞬一瞬に心が弾む。

10
 
【天の大河】
10月上旬 朝 朝霧高原より
雲の流れを
観、気温の変化を
感じて朝を迎える場所を
決める。今朝は朝霧高原に
向かった。雨上りの雲が広がって
動いていた。気温の低い上空の雲は鱗雲に
変化し始めていた。夜明の残光が稜線の雲達を
暖色に染めている。上空になるほど青のグラデーションは
濃さを増し、朝陽は富士山を中心に一帯を明るく
照らす。シルエットの富士が両手を広げて
楽しんでいる。夜明後の空の色変化と
躍動だ。初めて観た空と雲、
気持ちが壮大になった
素晴らしい朝
だった。

11
 
【 湖 畔 彩 花 】
10 月6日 午後2時  河口湖畔より
河口湖の北岸ルートにはコスモスが咲いている。
雲が多い空だけど、移ってゆく太陽に
顔を向けて花は可憐に咲き誇る。
秋は彩、裾模様が美しい時季。

秋01〜秋11